ラーメン、野菜、パン、焼酎……老若男女が楽しめる品々


では朝市の様子を紹介しよう。通り沿いで行列をつくるのは「麺笑コムギの店」。大ぶりのハムチャーシューがのったイベント限定の塩ラーメンのほか、ワンタンスープも人気だ。

その並びにある「panya no..takesan!」は、会場近くに店舗を構えるパン店。限定のパンセットはすぐ売り切れてしまうとか。

角のカフェ「シバケン」では朝市メニューを用意。小ぶりのキーマカレーやミニパンケーキタワーなど、朝ごはんにちょうど良いメニューが並ぶ。

買い終えたら隣の「芋吉」へ。秘伝のタレで煮絡めた絶品の大学芋が食べられる。

休日のお父さんを喜ばせるのは「二枚橋」の本格焼酎。オーナーこだわりの銘柄を、ロックまたは水割りで提供している。隣の「アペッツ」で焼き鳥を買えばツマミにぴったりだ。

ステージでは「朝市〜♪」と、戸田朝市のテーマを作ったうつろUさんが大熱唱。リズムにあわせて、ゆるキャラ「げんちゃん」も会場内を練り歩く。

会場奥に鎮座するのは、1回500円の包丁研ぎ「昭蔵屋」。ご主人の嶋田昭蔵さんは朝市最高齢の84歳だ。大工時代に培った腕で、包丁を生き返らせてくれる。

終了の正午が近づくと、屋台は店じまいを始める。これは出店の大きなメリットだ。イベントで1日店を休むと、通常営業に支障が出る。しかし昼で終われば、午後からいつもどおり店を開けられるのだ。

もっと朝市が盛り上がるようにと、運営陣は心を配る。

「市役所にもお話をしに行って、すこし援助していただけるようになりました。それが本当に嬉しかった」。吉田さんはそう噛みしめる。市役所敷地内への出店もこうした努力の積み重ねだ。今では県内の他エリアからの、朝市をやりたいという相談にも乗っているという。

自分たちの町は自分たちで盛り上げる。戸田朝市の賑わいは、そんな人々の熱い思いに支えられている。  

 

※本記事は2016年3月に取材・執筆したものです。

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