浮間公園(浮間舟渡駅)
浮間舟渡駅の改札を出て、右へ。するとすぐに、大きな青い空と風車、そして静かに空を映す池があなたを出迎えてくれる。公園の面積のうち約40%を占める浮間ヶ池は、もともとは荒川の本流。昭和初期に大改修し、築堤により残った部分が公園の原形となったそうだ。この池は釣り池として無料で開放(1977年に”知事からチビッコへプレゼントされた”そうだ)されており、池畔に沿って鯉やヘラブナ、ブラックバスを狙う小学生や玄人たちが、同じ水面へと糸を垂らす姿が見える。園内には野球場、テニスコート、バードサンクチュアリ、子どものための〈ジャブジャブ池〉など、数々のレクリエーション施設が用意されており、休日になると若いスケーターから多くの家族連れで賑わう。どんな年齢の人も交わることのできる、美しい公園のあり方がここにある。
戸田公園(戸田公園駅)
この日戸田公園では、公園内の〈戸田漕艇場〉で企業が主宰する漕艇の大会が開催されていた。約2.5kmに渡って延びる細長の水面に沿って、駆けつけた応援客が声援を上げる。往年のファンと見受けられるご老人から大学生、子ども連れの家族まで、皆一様に「頑張れ!」「もう少し!」と選手を鼓舞していた。1964年の東京オリンピックで漕艇競技の会場として使われた戸田漕艇場は、以来”漕艇のメッカ”として全国的な知名度を獲得、ドラマ『レガッタ〜君といた永遠〜』(2006年・テレビ朝日)の舞台にもなった。大学や実業団に所属するトップクラスの選手から一般市民まで、年齢層問わず幅広く活用されている。この漕艇場を囲うようにして広がる緑地一帯が戸田公園。公園内はもちろん、すぐ南にある荒川河川敷の土手も、その抜けた景観からランニングや散歩の道としても人気が高い。
後谷公園(戸田駅)
戸田駅から徒歩で約7分の場所に位置する後谷公園( “うしろやこうえん”と読む)。ここは緑豊かな自然に恵まれていながら、遊歩道や亭、芝生広場といった設備も整えられており、静かな時間を過ごすにはうってつけの空間だ。園内に3つ池には鯉や蛙、鴨といった多くの水生生物が、生い茂る木々にはカブトムシやセミなどの昆虫が多く生息していることから、休日には子どもの手を引く父親の姿が見られる。住宅街に出現した、自然観察スポットのような存在だ。また、隣接する戸田市文化会館は、演劇やミュージカル、コンサート、絵画の展示などが行われる、文字通り戸田市民にとっての文化拠点。普段は誰もが癒やしを得られる場所として、休日は家族連れが四季や自然を感じる場所として。戸田の街でこの公園が担う役割は幅広い。