Q.大野さんは、何をしている人?
普段は制服を着て、JR戸田公園駅で働いています。戸田公園駅の業務は大きくふたつに分かれています。1つ目は改札に立って切符の精算や周辺のご案内をしたり、忘れ物の対応などお客さまからの問い合わせにお応えする業務。2つ目はみどりの窓口で定期券や切符を販売する業務です。1日の業務は時間ごとに決まっていて、私はどちらの業務も行なっています。2015年に新卒で入社して、今年で3年目。ずっと戸田公園駅にいます。
また、駅員には泊まり勤務と日勤があって、泊まり勤務の時は終電のシャッターを閉めるところまで働いて、宿直室で休みます。お風呂も共同キッチンもあって、けっこう綺麗なんですよ。食事はだいたいスーパーのお惣菜などが多いですけど、たまに先輩がうどんを茹でてくれることがあって、いただくこともあります。茹でるのがすごい上手い方がいるんですよ(笑)。
Q.もともと電車が好きだった?
うーん、「電車が好き!」というより、人のためになるような仕事がしたい、という気持ちが大きかったです。もともと埼玉生まれ埼玉育ちで、地元は上福岡っていう、ここから少し北のほうなんです。人に説明するときは川越って言ってますけど(笑)。なので、就職するときはできれば首都圏がいいなあと思っていました。
Q.実際働いてみた感想は?
学生の頃は、改札にいる駅員さんて何してるんだろうと思ってたんですよ。でも自分がいざ駅員になってみると、とにかく忙しくて。まず切符のお問い合わせが多いですから、全国の駅名がパッと出てこないといけない。覚えることが多くて、就職したばかりの頃は本当に大変でした。
でも、そのぶんやりがいもすごく大きいです。忘れ物が見つかったときのお客さまの嬉しそうな顔を見ると「ああ良かった」と思います。駅は小さいお子さまからご年配の方まで幅広い年齢の方がご利用になられるので、日々新しい出会いがあり、楽しい職場だなと感じています。「新幹線を見せて」というお子さまもいらっしゃいます。

ボートコース沿いには様々なクラブハウスが軒を並べる。取材当日も練習に励む社会人チームが見られた。
Q.新幹線が見られるんですか?
そうなんです。埼京線に並行して新幹線が通っているんですけど、戸田公園駅のホームは絶好のビュースポットなんですよ。それで電車好きのお子さまがよくやってくるんです。夏休み期間には、駅に新幹線が通過する時間の時刻表も貼ってありますよ。

愛用するペンからも戸田公園への愛が滲む。
Q.戸田漕艇場のどこが好きですか?
普段は忙しくてなかなか駅から出られないんですけど、水辺があって落ち着くんです。東京オリンピックのボート会場だったので、聖火台もありますよ。時間のある時には、このあたりをゆっくり散歩したりします。
休みの日は高校時代の友だちと会うことが多いですね。よくキャンプに行きますよ。アウトドアが好きな子がいて、その子に任せてます。先日も3人でキャンプファイヤーをして…、まあ焚き火ともいいますね(笑)。

昭和39年に開催された東京オリンピックのボート競技場の舞台となった戸田ボートコース。川口市内の鋳物工場で製作された聖火台は今も残っている。
Q.将来の夢は?
JR東日本は選択肢がたくさんある会社だと思います。駅長になる道や、乗務員になる道、本社や支社といった現場をバックアップする仕事もある。可能性がたくさんあって、すごく恵まれてるなと思います。今は目の前の仕事に全力で取り組んでいるんですけど……そうですね、いつか乗務員にもなってみたいです。自分の手で埼京線を走らせてみたいですね。