言葉を必要としない2人の、不思議な縁
小林 高校の時に伯爵邸に行くって、かっこいいなあ。ここは店員さんも無国籍な感じで不思議だよね。
武居 そうそう! ほんと、色んな国の人がいるんだよね。それがまた絶妙なの。そういう意味でも、埼玉の多様性を象徴するようなお店だと思ってる。会話が途切れても店の様子を見てるだけで飽きない。内装にしても、謎のインテリアがあったり、普通の喫茶店ならケーキを入れるようなショーケースに、袋に入ったフルーツがそのまま置いてあったり。こないだ来たときは中にシメジが並んでたからね。入り口すぐのケースにシメジを4つ飾る喫茶店ってどういうことだよっていう(笑)。そういう「洗練されてない良さ」がある場所だと思う。

——今回、2人で撮影をしてみて、いかがでしたか?
小林 撮影のロケーションは全て詩織ちゃんのゆかりの場所だったので、詩織ちゃんのアイデンティティに迫っていくような撮影になった気がします。実は昔、埼京線の土手で小さなデジカメを使って写真を撮っていたことがあるんです。今回こういった形で仕事できるなんて、不思議なめぐり合わせだなぁと思いました。僕が写真を撮り始めたころの題材が「土手」だったんですよ。初めてアルバムのジャケットに使ってもらった写真も戸田公園の土手。懐かしいなぁ……今は見せたくないですけど(笑)、個人的な縁を感じましたね。

武居 正直、この撮影の時まで光大くんが戸田公園と縁があったなんて知らなかったんですよ。最近まであまりちゃんと話したこともなかったけど、本当に不思議な縁があるよね。多分、「マンションっ子」とか「埼京線」とか、共通のワードがたくさんあるから、お互いのことをそんなに知らないのに、言葉をたくさん交さなくても「撮りやすい/撮られやすい関係」になれるんだろうなって思っていて。この撮影で、それがよりはっきりしたというか、私の中で明確になった気がします。
小林 確かに。それまでもそこまで一緒に撮影をしたわけでもなかったもんね。半年に一回とかの頻度で会ってたかな。
武居 それくらいだよね。光大くんが撮りたいときに連絡が来て「いいよ〜」って感じでね。撮ったらあっさりじゃあね!みたいな(笑)。それが埼京線のお仕事で、こういう形で繋がった。そう考えると、ほんと不思議なタイミングだったなって思います。

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