IT企業は場所にとらわれない

 

——まず、エウレカコンピューターがどういう会社なのかお聞かせいただけますでしょうか。

犬飼 創業者の山下寿也が、学生時代に人工知能を開発するために作った会社なんです。今みたいに人工知能が話題になるずっと前ですね。RSSが誕生するよりも早く、インターネットからニュースを集めて流すシェアウェアを作っていたんです。

——犬飼さんが入社されたのは?

犬飼  2007年です。僕はそれまで別の会社で、コンピュータ対戦ゲームの開発やイベントをしていました。事業が困難な時期に山下に出会い、eスポーツの話をして意気投合したんです。カメラでプレイヤーの全身を捉え、画面上でプレイするものが作りたいと話すと、人工知能の開発に有用だと理解してくれました。そこで、広い開発環境が必要になり、会社を五反田からここに移転することになって。

内沼 とにかく広いところがいいと。どうやって探したんですか?

犬飼 インターネットですよ。うちはIT企業ですからね、一応。

内沼 (笑)。

犬飼 探していた条件で、2件ヒットしたんです。ひとつは高尾山、もうひとつは戸田。どちらも前の家賃より安くて、さあどっちにしようと。

内沼 高尾山は都内ですけど、戸田は埼玉ですよね。

犬飼 そう比較すると都内を選びがちですよね。でも僕は赤羽に住んでいて土地勘があったので、戸田が高尾山より断然都心に近いことを知っていた。それで一回見に行って、この倉庫に決めたんです。

内沼 戸田は物流の中継地点で、倉庫街でもある。アメリカではよくガレージから起業するって言いますしね。イメージ的には埼京線のビル・ゲイツですよね。

犬飼 え、それでいいのかな……。でも、IT企業は場所にとらわれないので、みんなどんどん戸田に来ればいいのにって思いますよ。やっぱりクリエイティブには、場所が必要なんですよね。

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