〈ONIBUS COFFEE〉なら信頼できる

 

——おふたりの出会いは?

戸田:私はオーストラリアにいた時に、友だちから〈ONIBUS COFFEE〉のことを聞いて、日本に帰ったら絶対に行こうと思ってたんです。それで一時帰国した時にまずお店に行って、2013年に本帰国した時に奥沢のお店で篤史さんに会ったんです。

坂尾:僕もシドニーに3ヶ月ぐらい住んでたことがあったので、シドニーの話ばかりしましたよね。由佳ちゃんは、オーストラリア帰りだなっていう感じの子でした。元気があって距離が近い(笑)。そしてコーヒーが好き。

戸田:日本のコーヒー事情を何も知らなかったので、そこで色々教えていただいて。でもその時はまだ、店をやるなんて全然。

坂尾篤史さん(左)と戸田由佳さん(右)。坂尾さんが戸田公園に来るのは3回目。

もちろんコーヒーを淹れて、対談スタート。

——具体的に〈ONIBUS COFFEE〉の豆を使おうと決めたのは?

戸田:帰国した翌年の、2014年からコーヒー屋さんで働き始めたんですけど、お店をやりたいっていうのはまだまだ漠然とした夢だったんです。でも2015年になって何か仕掛けてみようと思っていた時に「戸田でマルシェが始まります、出店募集中です」というお知らせを見たんですね。しかもまだ応募できる。じゃあオニバスさんに相談だ!と思って、そこからですね。

——なるほど。すぐに〈ONIBUS COFFEE〉の豆が頭に浮かんだんですね。

戸田:はい。前々から、いつか自分で店を出すなら「ここの豆を扱ってます」と自信をもって言える豆を使いたいなと思っていたんです。私は焙煎の知識はないから、信頼できる人にお願いしたい。オニバスさんの豆なら間違いないと思えたんです。

——〈ONIBUS COFFEE〉の豆はどういう点に気をつけて焙煎しているんでしょうか?

坂尾:原材料を仕入れるときに、まずはいいものを選ぶことですね。なるべく現地に行くようにしています。そして豆を売るのは、基本的には知っている人だけ。そもそもホールセール(※卸売販売)の場合、自分たちの手を離れてお客様に出すので、クオリティが下がってしまう可能性がある。なので、なるべく顔がわかる人に買ってもらうようにしています。由佳さんにも、前職を辞めたタイミングで一度うちに来てもらって、シフトに入って一緒に働いてもらったんです。

——自分たちの文化をしっかり伝えるというのは、コーヒーカルチャーを大事にした発想ですね。

坂尾:基本的にお互いにコミュニケーションが取れる関係を作るようにしていますね。

 

埼玉県に初上陸の「シングルオリジン」

 

——最初のマルシェの反応はどうだったんですか?

戸田:豆はふたつ選びました。まずは「ブレンド」という響きのほうが戸田の人たちには伝わりやすいかなと思ってブレンドの豆と、どうしても私は単一種のシングルオリジンを出したかったので、あわせてお願いしました。

——シングルオリジン、びっくりされませんでした?

戸田:街にないですからね。なので「ブレンドじゃないほうも飲んでみません?」って言いながら試してもらいました。「酸っぱい」って言われちゃうかなと思ったので、豆選びも慎重にして。「お茶みたいね」って飲んでくれたおばあちゃんもいましたよ(笑)。

——埼玉に〈ONIBUS COFFEE〉が初上陸したわけですね。そもそも酸味のあるコーヒーを飲むっていうことが初めての人が多そうですよね。

坂尾:そんなに(店が)ないんですか?

戸田:ないです!板橋区あたりまで含めて、そういうお店はないんじゃないですかね。

——知らない土地で自分の豆が飲まれているって、どんな感覚ですか?

坂尾:嬉しいですよ。反響はめちゃくちゃありました。「実は、実家が戸田なんです」って人も多くて。

戸田:そのパターンありますよね(笑)。「実は住んでます」とか。

水に入れておくだけで1リットル分のアイスコーヒーが作れるパック。〈ONIBUS COFFEE〉でも販売しているが、こちらは〈Hey Coffee〉が家庭用にアレンジしたもの。850円。

 

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